箕面川に棲む生き物たち

※メインの写真は谷上裕二さんの写真ですが解説に入っている写真はウィキメディアからの写真データになります。

コサギ

(小鷺、Egretta garzetta)は、鳥綱コウノトリ目サギ科シラサギ属に分類される鳥。

形態

全長60センチメートル。チュウサギよりもさらに小さいので、この名で呼ばれる。全身の羽毛が白色で、いわゆる白鷺と呼ばれる鳥の一種。脚、首、くちばしは長いが、ダイサギほどではない。足の指が黄色いことと、夏羽では頭に2本の長い冠羽が現れること、背の飾り羽は先が巻き上がることで、ダイサギやチュウサギと区別できる(ダイサギとチュウサギは巻き上がらない)。繁殖期のごく短い期間には足の指と目の先が赤くなる。

 

生態

水田川辺海岸などで首を縮めて立っている姿がよく見られる。魚類カエルザリガニなどを捕食する。獲物を捕らえる時は足でつつくようなしぐさをして、物かげから獲物を追い出してから捕らえることもある。

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カワセミ

翡翠、翡翆、魚狗、川蟬、学名:Alcedo atthis)は、ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属に分類されるの一種。水辺に生息する小鳥で、鮮やかな水色の体色と長いくちばしが特徴で、ヒスイ青い宝石、古くはソニドリ(翠鳥、鴗)と呼ばれることもある。

形態[編集]

全長は17 cmほどで (16-20cm) 、スズメよりも大きいが、長いくちばし(嘴峰長3.3-4.3 cm)のため体はスズメほどの大きさ。日本のカワセミ科のなかでは最小種となる。翼開長は約25 cm (24-25cm)。体重19-40g。くちばしが長くて、頭が大きく、頸、尾、足は短い。オスのくちばしは黒いが、メスは下のくちばしが赤いのでオスと区別できる。また、若干メスよりオスの方が色鮮やかである。500系新幹線のノースデザインはカワセミのくちばしをモチーフとしている。頭、頬、背中は青く、頭はのような模様がある。喉と耳の辺りが白く、胸と腹と眼の前後は橙色。足は赤い。幼鳥は全体に黒っぽく、光沢が少ない。

カワセミの青色は色素によるものではなく、羽毛にある微細構造により光の加減で青く見える。これを構造色といい、シャボン玉がさまざまな色に見えるのと同じ原理。この美しい外見から「渓流の宝石」などと呼ばれる。特に両翼の間からのぞく背中の水色は鮮やかで、光の当たり方によっては緑色にも見える。漢字表記がヒスイと同じなのはこのためである。

生態

海岸などの水辺に生息し、公園の池など都市部にもあらわれる。古くは町中でも普通に見られた鳥だったが、高度経済成長期には、生活排水や工場排水で多くの川が汚れたために、都心や町中では見られなくなった。近年、水質改善が進んだ川では、東京都心部でも再び見られるようになってきている。

川ではヤマセミよりも下流に生息するが、一部では混在する。飛ぶときは水面近くを速く直線的に飛び、このときに「チッツー!」「チー!」と鳴き声を挙げることが多い。

採餌するときは水辺の石や枝の上から水中に飛び込んで、魚類水生昆虫をくちばしでとらえる。エビカエルなども捕食する。ときには空中でホバリング(滞空飛行)しながら飛び込むこともある。水中に潜るときは目からゴーグル状のもの(瞬膜)を出し水中でも的確に獲物を捕らえることが出来る。また、水中に深く潜るときはいったん高く飛び上がってから潜る個体も存在する。捕獲後は再び石や枝に戻ってえものをくわえ直し、頭から呑みこむ。大きな獲物は足場に数回叩きつけ、骨を砕いてから呑みこむ。消化出来なかったものはペリットとして口から吐き出す。足場は特定の石や枝を使うことが多く、周囲がで白くなっていることが多い。ゴーグル状のものは地上にいるときでも時々見ることが出来る。

繁殖期にはオスがメスへ獲物をプレゼントするコアジサシと同様な「求愛給餌」がみられる。つがいになると親鳥は垂直な土手に穴をつくる。最初は垂直の土手に向かって突撃し、足場ができた所でくちばしと足を使って50-90 cmほどもある横穴を掘る。穴の一番奥はふくらんでおり、ここに3-4個のを産む。 

卵からかえったヒナは親鳥から給餌をうけながら成長し、羽毛が生え揃うと巣立ちする。せまい巣穴の中は当然ヒナの糞で汚れるが、ヒナに生えてくる羽毛は鞘をかぶっており、巣立ちのときまで羽毛が汚れないようになっている。若鳥は胸の橙色と足に褐色味がある。

非繁殖期は縄張り意識が強く、1羽で行動する。水上を飛んだり、えさ場が見渡せる枝や石の上で休む姿がみられる。

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ゲンジボタル

(源氏蛍・学名Luciola cruciata)は、コウチュウ目(鞘翅目)・ホタル科に分類されるホタルの1種である。

体の構造[編集]

成虫の体長は15mm前後で、日本産ホタル類の中では大型の種類である。複眼が丸くて大きい。体色は黒色だが、前胸部の左右がピンク色で、中央に十字架形の黒い模様があり、学名のcruciataはここに由来する。また、尾部には淡い黄緑色の発光器官がある。オスとメスを比較すると、メスのほうが体が大きい。また、オスは第6腹節と第7腹節が発光するが、メスは第6腹節だけが発光する。日本で「ホタル」といえばこの種類を指すことが多く、もっとも親しまれているホタルである。

 

分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ホタル上科 Cantharoidea
: ホタル科 Lampyridae
: ゲンジボタル属 Luciola
: ゲンジボタル L. cruciata

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オナガサナエ

(尾長早苗、学名 Melligomphus viridicostus )は サナエトンボ科のトンボで日本特産種。

 

形態[編集]

成虫は体長58〜65mm程度の中型のサナエトンボ。和名は雄の尾部付属器の独特な形状にちなむ。

生態[編集]

成虫は5月下旬頃から羽化し、9月下旬頃まで見られる。羽化後は付近の草むらや林縁などで摂食活動を行う。成熟個体は河川中流域の河原の石の上や枝の先などにじっと静止していることが多い。本種は警戒心が薄く、かなり至近距離に近づくまで逃げないことが多い。未熟期は複眼が褐色であるが、成熟すると澄んだ緑色に変わる。産卵は雌が単独で、空中でホバリングをしながら行う。

幼虫は大規模な河川の中流域に住み、石に掴まって生活する。

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アオサギ

(青鷺、蒼鷺、Ardea cinerea) は、ペリカン目サギ科アオサギ属に分類される鳥類。

 

形態[編集]

全長88 - 98センチメートル。翼開長150 - 170センチメートル。体重1.2 - 1.8キログラム。メスよりもオスの方がやや大型になる[4]。頭部は白く、後頭に黒い羽毛が伸長(冠羽)する。眼上部から後頭の冠羽に繋がるように眉状の黒い筋模様(眉斑)が入る。上面は青灰色、和名の由来(漢字表記の蒼はくすんだ青色のことも指し、中国語名と同一)になっている。種小名cinereaは「灰色の」の意で、英名(grey)と同義。背の飾羽は灰色。下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は伸長(飾羽)する。前頸から胸部にかけて破線状の黒い縦縞が入る。側胸や腹部は黒い。雨覆の色彩は灰色で、初列雨覆や風切羽上面の色彩は黒い。人間でいう手首(翼角)の周辺には2つの白い斑紋が入る。

嘴は黄色。虹彩は黄色。後肢は暗褐色。

若鳥は上面が灰褐色、頭部が灰色の羽毛で被われる。若鳥や冬羽は上嘴が黒ずむ。眉斑は不明瞭で、後頭に冠羽が伸長しない。繁殖期は眼先がピンク色で、嘴や後肢の色彩もピンク色。非繁殖期は眼先が黄緑色で、嘴や後肢の色彩が黄色。メスはオスと比較すると冠羽や飾羽があまり発達しない。

生態

ファイル:Aosagi-Ardea cinerea-Dec1-2013-Chiba-Japan.ogv
(動画) ちょっとだけ飛ぶ瞬間

河川湖沼湿原干潟水田などに生息する。非繁殖期には単独で生活するが、本種のみで数羽が同じねぐらに集まったりコサギなどのねぐらに混ざることもある。

魚類両生類昆虫などを食べるが、鳥類の雛、小型哺乳類を食べることもある。水辺で待ち伏せたり、水辺や浅瀬を徘徊しながら獲物を探す。小型の魚類は嘴で挟んで捕えるが、コイなどの大型の魚類は側面から嘴で突き刺して捕えることもある。獲物を発見すると、素早く頸部を伸ばし捕食する。水深の深い場所では、体を水に浮かべて泳いでいることがある。

優雅な姿をしているが、意外にも攻撃的で神経質な鳥で、餌場では羽毛や飾り羽を逆立てて他の鳥を威嚇して追い出すことがよくある。特に獲物が共通するダイサギなどのサギ類には容赦なく攻撃をしかけて執拗に追い立てる。 また、獲物に対する執着も強く、他の鳥から獲物(主に魚類)を奪って捕食することが見られる。ミサゴなどの猛禽類や、時にはツルやコウノトリなどの自分よりもはるかに強大な相手でも付け回して隙があれば横取りする[要出典]

繁殖形態は卵生。松林などに集団繁殖地(コロニー)を形成する。主に本種のみのコロニーを形成するが、同科他種のコロニーに混ざることもある。主にオスが巣材を集め、メスが樹上に木の枝を組み合わせた皿状の巣を作る。日本では4 - 5月に1回に3 - 5個の卵を産む。同じ巣を修理して何年にもわたり使用しつづける。雌雄で抱卵・育雛を行い、抱卵期間は23 - 28日。雛は孵化してから50 - 55日で巣立つ。生後2年で成熟する[6]アシの生えた地上での営巣記録もある。

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オオサンショウウオ

 (大山椒魚、Andrias japonicus) は、有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属に分類される有尾類。別名ハンザキ

形態

最大全長150センチメートル。野生個体では全長100センチメートルに達することは極めてまれで、全長50 - 70センチメートル。皮膚は無数の小さな疣状で覆われる。体側面や四肢の後部では襞状に皮膚が伸長する。背面の色彩は暗褐色で、不規則な黒い斑紋が入る。

上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤骨歯列)は浅い「ハ」字状。

卵は直径0.5 - 0.8センチメートルで、黄色い。

同属のチュウゴクオオサンショウウオは吻端が扁平・黒色斑が大型で独立する・疣が2個ずつ並ぶことなどで区別できるとされるが、種間雑種では識別は困難とされる。

生態[編集]

標高400-600メートルにある河川の上流域に生息する。完全水生。夜行性で、昼間は水辺に掘った巣穴などで休む。

中流や下流でも見られることがあり、市街地近くや水田の水路に生息していることもある。実際に兵庫県出石川下流での護岸工事のときに400匹以上が見つかっている。

魚類サワガニなどを食べ、ヘビ類やカワネズミを食べた例もある。貪欲で水中で遭遇した動物質には襲いかかり、共食いすることもある。

繁殖様式は卵生。オスは6 - 7月に川辺に掘った横穴を掘り、産卵巣を作る。産卵巣は毎年同じ場所を利用することが多く、岩の隙間を産卵巣にすることもある。オスの大型個体は産卵巣に他のオスが侵入すると争うが、メスの産卵後に周囲にいる複数のオスが侵入することもある。8月下旬から9月にオスが産卵巣にメスを誘い、400 - 500個の数珠状の卵を産む。卵は約50日で孵化する。オスは孵化するまで保護する。幼生は生後4 - 5年で変態し、幼体になる。生後5年(全長57センチメートル。変態してから1-2年後。)で性成熟すると考えられている。寿命は野生下では10年以上、飼育下では51年の生存例がある。

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サワガニ

 (沢蟹)Geothelphusa dehaani は、エビ目(十脚目)・カニ下目・サワガニ科に分類されるカニの一種。日本固有種で、一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニである。学名の種名"dehaani"は、日本の甲殻類分類に功績があったオランダ動物学ウィレム・デ・ハーンに対する献名となっている。

分布

日本固有種で、青森県からトカラ列島(中之島)までの分布とされている。本土周辺の島嶼では、佐渡島男女群島壱岐諸島種子島隠岐諸島五島列島屋久島なども生息が報告されている。稚ガニとして孵化する(海流に乗って分布を拡大することができるプランクトンとしての幼生期間を持たない)ことから長距離の移動能力に欠けるため、地域集団毎に遺伝子レベルでの分化が認められる。また、21世紀初頭の時点では移入種と見られる個体が北海道にも分布するとの情報がインターネット上に散見されるが、信頼のおける専門家(博物館・大学・水産研究所・学会など)による野生個体の確認は一切報告されていない。国立環境研究所が以前行った市民調査(既に終了)による結果が裏付けのないままネット公開され、ウィキペディアを通じて拡散したことが原因と見られ、サワガニを見たことのない北海道民が川に広く分布するモクズガニをサワガニと誤認し、長年報告し続けてきたこと(北海道全土に分布することになっている)による可能性が高い。

特徴

オスの腹部

甲幅20-30mm、脚を含めた幅は50-70mmほど。体色は甲が黒褐色・脚が朱色のものが多いが、青白いもの(地方によっては「シミズガニ」と呼ばれる)、紫がかったものなども見られ、よく見られる体色は地域個体群によって異なる。甲羅には毛や突起などはなく、滑らかである。オスは右の鋏脚が左よりも大きくなるが、左のほうが大きい個体もいる。 の上流域から中流域にかけて生息する。和名どおり水がきれいな渓流(沢)・小川に多いので、水質階級I(綺麗な水)の指標生物ともなっている。日中は石の下などに潜み、夜になると動きだすが、の日などは日中でも行動する。また、雨の日にはから離れて出歩き、川近くの森林や路上にいることもある。活動期は春から秋までで、冬は川の近くの岩陰などで冬眠する。

食性は雑食性で、藻類水生昆虫、陸生昆虫類カタツムリミミズなど何でも食べる。一方、天敵ヒキガエルアカショウビンカワセミサギ類、イノシシイタチなどがいる。

から初夏にかけて交尾を行ったあと、メスは直径2mmほどのを数十個産卵し、腹脚に抱えて保護する。卵は他のカニに比べると非常に大粒で、産卵数が少ない。幼生は卵の中で変態し、孵化する際には既にカニの姿となっている。稚ガニもしばらくは母ガニの腹部で保護されて過ごす。同じく川に生息するモクズガニアカテガニなどは幼生に放さないと成長できないが、サワガニは一生を通じて海と無縁に生活する。寿命は数年-10年程とされる。

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カルガモ

 (軽鴨Anas zonorhyncha)は、鳥綱カモ目カモ科マガモ属に分類される鳥類。

形態

全長53-63センチメートル翼開長83-91センチメートル。全身の羽衣は黒褐色。

生態

湖沼河川などに生息し、冬季になると海洋にも生息する。渡りは行わないが、北部個体群は冬季になると南下する。

食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、水生植物、昆虫などを食べる。狩猟で撃ち落とされた本種で、3.2-6.6センチメートルのオイカワを30尾食べていた例もある。水面でも陸上でも採食を行う。

繁殖形態は卵生。亜種カルガモでは集団繁殖地(コロニー)を形成することもある。水辺に巣を作る。基亜種は7-9個、亜種カルガモは10-12個の卵を産む。亜種カルガモの抱卵期間は26-28日。少なくとも基亜種においてはオスも育雛を行った例がある。雛は孵化してから2か月で飛翔できるようになる。

繁殖地が高密度になると、雌が同種他個体の子を殺す(子殺し)ことが報告されている。このときには、他種(オカヨシガモ)の雛も殺している。親が自分の子を殺す場合もある[要出典]

繁殖期前期(交尾から営巣地の探索程度まで)はつがいで行動するが、メスが抱卵・育雛を行っている間、オスは概ねオスだけの群れを形成する。繁殖期が終わると、まずメス親とヒナとの関係が消失する。その後は不透明であるが、越冬期前には、雌雄で構成される大群を形成する。

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セグロセキレイ

 (背黒鶺鴒、学名Motacilla grandis)は、スズメ目セキレイ科セキレイ属に分類される鳥類の一種である。主に水辺に棲む。

形態

体長 20-22cm翼開長約30cm、体重26-35g。ハクセキレイと同大。

頭から肩、背にかけてが濃い黒色で、腹部が白色で胸部は黒色。ハクセキレイと見分けがつきにくい場合があるが、本種は眼から頬・肩・背にかけて黒い部分がつながるところで判別できる(右写真を参照)。またハクセキレイやキセキレイと同様に尾羽を上下に振る姿が特徴的である。雌雄ほぼ同色だが、雌は背中が雄に比べると灰色みがかっている。幼鳥は頭から背中まで灰色である。ただし、ハクセキレイの様々な亜種に似ている部分白化個体の観察例もあるので 、ハクセキレイとの識別には注意を要する。本種の地鳴き、「ジュジュッ、ジュジュッ」に対し、ハクセキレイでは、「チュチュッ、チュチュッ」と聞こえるので、声による識別は可能である。

生態

主に水辺に住むが、水辺が近くにある場所ならば市街地などでも観察される。 好む地形はハクセキレイに近いが、比較的河川の中流域などを好む傾向がある。瀬戸内海の大きな河川の少ない地域では、海岸沿いの堤防・波消しブロック上、干潟・砂浜で見られることも多い。ハクセキレイやキセキレイとは概ね棲み分けている。 ただし最近では主にハクセキレイの分布拡大により生息地が重なるようになっている。

一年を通し、単独または番いで縄張り分散する。縄張り意識がとても強く、同種のほかハクセキレイ、キセキレイと生活圏が競合する場合には追いかけ回して縄張り争いをする様子がよく観察される。なお、他のセキレイと競合した場合に本種が強い傾向がある。

親から雛へ給餌様子

食性は雑食で、採食方法などもハクセキレイに似るが、本種は水辺の環境に依存しており、畑など乾いた場所での採食行動はあまり見られない。夜は近隣のなどに塒を取る。

繁殖形態は卵生。通常は年1回繁殖するが、年2回繁殖することもある。川岸の植物や岩の下、崖地の陰などに枯草などを用いて椀状の巣を作り、3-7月に4-6卵を産む。抱卵期間は11-13日で、主に雌が抱卵する。雛は14日ほどで巣立つ。

飛翔時に鳴き、地鳴きは「ジュビッ、ジュビッ」などでハクセキレイに似るが濁るところで判別できる。 さえずりも同様に少々濁って聞こえる。

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ハクセキレイ

 (白鶺鴒、学名:Motacilla alba lugens)はセキレイ科分類される鳥類。世界中に広く分布するタイリクハクセキレイ(学名 Motacilla alba)の一亜種

特徴

体長21cm ほどで、ムクドリよりやや小さめで細身。他のタイリクハクセキレイ亜種より大型になる。

頭から肩、背にかけてが黒色または灰色、腹部は白色だが胸部が黒くなるのが特徴的である。顔は白く、黒い過眼線が入る。セグロセキレイと類似するが、本種は眼下部が白いことで判別できる。

セグロセキレイキセキレイと同様、尾羽を上下に振る姿が特徴的である。

生態

主に水辺に棲むが、水辺が近くにある場所ならば市街地などでもよく観察される。河川の下流域など比較的低地を好む傾向があり、セグロセキレイキセキレイとは、夏場は概ね棲み分けている(#セキレイ類近縁種の分布も参照)。

冬場は単独で、夏場は番いで縄張り分散する。縄張り意識が強く、特に冬場は同種のほか、セグロセキレイ、キセキレイと生活圏が競合する場合があり、その際には追いかけ回して縄張り争いをする様子もよく観察される。

食性は雑食で、一旦高いところに留まって採食に適した場所を探し、水辺や畑などに降りて歩きながら水中や岩陰、土中などに潜む昆虫類クモミミズなどを主に捕えて食べる。ただし本種は都市部などの乾燥した環境にも適応しており、分布域の広がった近年ではパン屑などの人間のこぼした食べ物を食べる様子も観察されている。また郊外の工場などで小型の蛾を捕食することもある。壁面に留まっている蛾をホバリングして捕まえる。

寒冷地では年1回、暖地では年2回繁殖する。地上で羽を広げて求愛ダンスを行う。地上の窪みや人家の隙間などに、枯れ草や植物の根を使って皿状の巣を作り、日本では5 - 7月に1腹4 - 5個の卵を産む。抱卵期間は12 - 15日で、主に雌が抱卵する。雛は13 - 16日で巣立ちする。巣立ち後も親鳥と行動を共にし、3 - 4羽程度の集団で行動することもある。

足を交互に出して素早く歩く。人間のそばにも比較的近く(3m程度の距離)まで寄ってくる。歩行者を振り返りながら斜めに歩く。夜は近隣の森などにねぐらを取るが、市街地では建築物などに取る様子も観察される。秋になると照明近くの街路樹に集団を作ることがある。

地鳴きは「チュチン、チュチン」、飛翔時は「チチッ、チチチッ」と鳴く。巣立ち後の幼鳥は独り言或いはつぶやきともとれる長めの鳴き方をすることがある。ごく希であるが成鳥が縄張宣伝で長め(3秒程度)の鳴き方をすることがあり、とても美しい声である。

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暑さのため口を開けている様子 ハクセキレイの幼鳥 ハクセキレイ
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口元の細いヒゲが分る画像 顔を正面から

 

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ハグロトンボ

(羽黒蜻蛉、Calopteryx atrata)は、カワトンボ科トンボ。別名ホソホソトンボ

 

特徴

成虫

成虫体長は 57-67mm、後翅長 35-44mm ほどで、トンボとしてはやや大型。の方がより若干大きいが、大差はない。が黒いのが特徴で、斑紋はなく、雄は体色が全体的に黒く緑色金属光沢があるのに対し、雌は黒褐色である。他のトンボのように素早く飛翔したりホバリングしたりせず、チョウのようにひらひらと舞うように羽ばたく。その際、パタタタ……と翅が小さな音を立てる。どこかに留まって羽根を休める際もチョウのように羽根を立てた状態で、四枚の羽根を重ねて閉じるという特徴がある。

幼虫

幼虫ヤゴ)は体長22~26mmほどで、体色は淡い褐色である。

生態

成虫は5~10月頃まで見られ、とくに7~8月に多い。主に平地から低山地ヨシなどの挺水植物や、エビモバイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息する。幼虫は、おもに夜半から早朝にかけて、挺水植物などに定位して6~7月頃に羽化する。羽化後の若い個体は薄暗いところを好み、水域から離れての中で生活するが、成熟すると再び水域に戻り、明るい水辺の植物などに止まり縄張りを張る。交尾後、雌は水面近くの水中植物に産卵する。

 

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モノサシトンボ

学名Copera annulata (Selys1863))は、モノサシトンボ科モノサシトンボ属分類されるトンボの1。本種が別Psilocnemis Selys, 1863)の種として扱われる場合がある

形態

成虫は中型で、イトトンボ亜目の中では大きい。秋に出現する個体は小さい。近縁種のオオオモノサシトンボ(学名:Copera tokyoensis (Asahina1848))と形態が酷似する。部に物差しのような等間隔の環状紋があり、和名の由来となっている。後頭部に青白い斑紋があり、複眼は左右に離れていて、複眼の内側に波状の斑紋がある。グンバイトンボに似るが、頭に後頭条がない。前と後翅は同じ形で同じ大きさ。翅に黄色と黒の斑紋があり、若い個体の斑紋は赤色。

オスの成虫

全長39-50 mm、腹長31-40mm、後翅長18-26 mm。成熟すると斑紋が水色となる。中脚と後脚のは白くやや拡がるが、グンバイトンボ程は軍配状にはならない。腹部第9節、10節が青白い。オオモノサシトンボのように斑紋が黒化した個体も時々見られる。

メスの成虫

全長38-51 mm、腹長31-41mm、後翅長19-26 mm。黄緑色と水色の個体がいる。

ヤゴ

全長は約27 mm。木の葉の3枚の尾は長大な柳葉状で、長さは腹長とほぼ同じ。下スプーン

生態

平地から丘陵地にかけて分布する。河川の中流域の樹林に囲まれた湿地でよく見られ、岸辺が暗い環境を好む。成熟したオス縄張りを持ち水辺の植物に翅を閉じて静止し、時々周囲を飛翔してメスを探す。他のオスが近づくと追い払う。メスを見つけたオスは連結し、植物に止まって移精と交尾を行う。交尾は午前中に行われることが多い。交尾後連結態のまま水面付近の植物に産卵したり、メス単独で産卵したりする。新潟県でモノサシトンボとオオモノサシトンボで種間雑種が確認されている。

ヤゴは捕獲されると脚を縮め、U字型に体を曲げて死んだふりをする[2]生物化学的酸素要求量(BOD)が10-20 (mg/l)の汚れた止水の水質環境に生育する。

 

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モズ

(百舌、百舌鳥、鵙、学名 Lanius bucephalus Temminck & Schlegel1847)は、スズメ目モズ科モズ属に分類される鳥類

 

形態

全長19-20 cm。眼上部に入る眉状の筋模様(眉斑)、喉や頬は淡褐色。尾羽の色彩は黒褐色。翼の色彩も黒褐色で、雨覆や次列風切、三列風切の外縁(羽縁)は淡褐色。

夏季は摩耗により頭頂から後頸が灰色の羽毛で被われる(夏羽)。オスは頭頂から後頸がオレンジ色の羽毛で被われる。体上面の羽衣が青灰色、体側面の羽衣はオレンジ色、体下面の羽衣は淡褐色。また初列風切羽基部に白い斑紋が入る。嘴の基部から眼を通り後頭部へ続く筋状の斑紋(過眼線)は黒い。メスは頭頂から後頸が褐色の羽毛で被われる。体上面の羽衣は褐色、体下面の羽衣は淡褐色の羽毛で被われ下面には褐色や黒褐色の横縞が入る。過眼線は褐色や黒褐色。

幼虫を捕獲したオスのモズ

生態

開けた森林や林縁、河畔林、農耕地などに生息する。

食性は動物食で、昆虫  節足動物甲殻類両生類、小型爬虫類、小型の鳥類、小型哺乳類などを食べる。樹上などの高所から地表の獲物を探して襲いかかり、再び樹上に戻り捕えた獲物を食べる。

繁殖形態は卵生。様々な鳥(百の鳥)の鳴き声を真似た、複雑な囀りを行うことが和名の由来(も=百)。2-8月に樹上や茂みの中などに木の枝などを組み合わせた皿状の巣を雌雄で作り、4-6個の卵を産む。年に2回繁殖することもある。カッコウ托卵されることもある。メスのみが抱卵し、抱卵期間は14-16日。雛は孵化してから約14日で巣立つ。

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アメンボ

(水黽、水馬、飴坊、飴棒)は、昆虫綱半翅目アメンボ科の総称である。

別名、ミズグモ(水蜘蛛)、カワグモ(川蜘蛛)、スイバ(水馬)、ミズスマシ(水澄・水馬)、チョウマ(跳馬、江戸時代江戸の方言)、アシタカ。ただし現代の標準和名では、ミズグモは水生のクモの1種、ミズスマシ水生甲虫の一群を意味する。

「アメンボ」は、アメンボ科の1種 Aquarius paludum (旧 Gerris paludum) 別名ナミアメンボの和名でもある。

和名に「アメンボ」を含む種はアメンボ科の他に、同じアメンボ下目のカタビロアメンボ科 Veliidae サンゴアメンボ科Hermatobatidae イトアメンボ科 Hydrometridae に広がる。さらに同下目で同様に水生のミズカメムシ科 Mesoveliidae ケシミズカメムシ科 Hebridae を加えた6科をアメンボ類と総称する

 

 

形態

水面で活動する半翅目としては最大で、体長は3mm~26mm。

中脚と後脚が非常に長く、特に中脚は体長を著しく超えるほど。前脚は短い。脚の付け根は、中脚と後脚は接しているが、前脚は離れている。脚先には短い毛が密生している。

多くは体は細長い棒状だが、海生のウミアメンボ亜科は卵型。なお、同じ海生でも Trepobatinae 亜科の Stenobates は棒状である。

体色は地味な黒ないし赤褐色。淡色の条紋をもつこともあるが目立たない。

生態

ほとんどは淡水生だが、例外が少数ある。ウミアメンボ亜科 Halobatini 族と Trepobatinae 亜科 Stenobatini 族は海生、Eotrechinae 亜科は湿岩生および陸生である。

足先の毛だけを水面につけて、毛が水を撥く表面張力を利用して水面に浮かぶ。表面張力は、雌が雄を背に乗せられる程度に強い。

中脚の運動で推進し、後脚で方向を定めて、水面を滑走する[2]。全て肉食で、水面に獲物死骸が落ちると、すばやく接近して前脚で捕獲し、針のように尖った口器を突き刺して体液を吸う。

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